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2026.06.26カンボジア医療支援 2026

子どもたちと過ごした3日間の記録

はじめに

こうのす共生病院(鴻愛会)、フォレストデンタルグループ、医療法人メイ・ロイヤル、協力いただいた医師・医療職が実施した、カンボジアにおける国際医療支援、医科歯科検診、ボランティア活動の記録です。

この活動は、誰かの強制ではなく「自らの意志で手を挙げ、その中から選ばれたメンバー」によって構成され、参加者一人ひとりが“誰かのために自分の力を活かしたい”という思いを胸に集まりました。

2026年6月、3つの法人を中心に集まった計26名のチームで、カンボジア・シェムリアップ州を訪れ、3日間にわたる医療支援活動を行いました。子どもたちの健康と笑顔を守りたい。その思いを胸に臨んだ活動の様子を、現地でのできごとを中心にお伝えします。

支援の背景

カンボジアは1970年代後半、ポル・ポト政権下において極端な共産主義政策が敷かれ、知識層を中心とした大量粛清が行われました。

この歴史的悲劇により、医師を含む多くの医療関係者・教育者が命を落としました。

その影響は現在も色濃く残っており、人口あたりの医師数は日本の10分の1以下とされています。その少ない医師の多くが首都プノンペンなど都市部に集中しているため、シェムリアップをはじめとする地方では、必要なときに医療を受けることが困難なのが実情です。

そしてカンボジアは、15歳未満が人口の約3割を占めるほど、子どもがとても多い国です。だからこそ私たちは、この地で「いま自分たちにできること」として、未来を担う子どもたちの健康を見守ることを活動の柱に据えました。整形外科による運動器(ロコモ)検診を中心に、耳鼻科・歯科が専門を持ち寄り、子どもたちの身体を多角的に診ています。

大切にしているのは、一度きりで終わらせないこと。現地の皆さんとともに毎年少しずつ続け、その先の地域の健康へとつなげていきたいと考えています。 

こうした想いを胸に、今年も現地でさまざまな活動に取り組んできました。ここからは医科を中心に、その様子を順にご紹介します。

検診の2日間 ──まずは、動画でどうぞ

現地では2日間にわたって、子どもたちの検診を行いました。整形外科・耳鼻科・歯科が、それぞれの専門を活かして子どもたちと向き合った様子を、ダイジェスト動画でご覧ください。

【動画①:検診ダイジェスト 1日目

【動画②:検診ダイジェスト 2日目

ここからは、それぞれの検診について、もう少しだけご紹介します。

運動器(ロコモ)検診

こうのす共生病院としては、孤児院と小学校の2施設で、約300名の子どもたちを対象に、運動器(ロコモティブシンドローム)検診を行いました。立った姿勢や前屈、片足立ち、しゃがみ込みなど、身体の動きを一つひとつ確認していきます。この検診は、今年で3年目を迎えました。

今年は新たに、側弯症(背骨の曲がり)を専門とする整形外科医が加わり、より丁寧に子どもたちの身体を診ることができました。あわせて、現地の看護学生に向けた側弯症の講義も行い、これから現地の医療を担う若い世代との、学びの時間にもなりました。

なお、あわせて行った生活習慣などの問診票には、アンコール大学の学生など約50名にもご協力いただきました。

【写真:ロコモ検診の様子(前屈や片足立ちで身体の動きを確認)】

 【写真:看護学生への側弯症講義の様子】

耳鼻科検診・聴力検査

耳鼻科では、耳・鼻・のどの診察に加えて、聴力検査を行いました。今年は、聴力に関するより精密な検査(OAE:耳音響放射)にも取り組んでいます。

日本のように静かな個室を用意することが難しい環境のなかで、現地スタッフの通訳に支えられながら、一人ひとりていねいに検査を進めました。中には、驚くほど大きな耳垢が見つかる子もいて、小さな頃から耳の健康に関わることの大切さを、あらためて感じる時間となりました。

【写真:耳鼻科検診・聴力検査の様子】

歯科検診・歯みがき指導

歯科グループは、歯科検診と歯みがき指導を担当しました。子どもたちが自分の歯を守る習慣を身につけられるよう、楽しく学べる工夫を凝らしながら向き合いました。(※歯科の活動の詳細は、歯科グループよりあらためてご紹介の予定です)

【写真:歯科検診・歯みがき指導の様子】

アンコール共生病院での診察・治療

現地でのパートナーであるアンコール共生病院では、事前にご依頼のあった数名の患者さんを対象に、診察・治療を行いました。学校での検診が体の不調に「気づく」入り口だとすれば、病院での診察・治療は、そこから実際の医療へとつなげる一歩です。現地に拠点となる病院があることは、私たちの支援をその場限りにせず、継続的なものにしていくうえで、大きな支えになっています。

検診のあとに、ささやかなプレゼントを

検診を終えた子どもたちには、ひとつずつプレゼントを手渡しました。受け取った瞬間のはにかんだ笑顔や、さっそく紙風船で遊びはじめる無邪気な姿に、検診のあいだ少し緊張していた表情がふっとほどけていきます。健康を守る時間が、子どもたちにとって少しでも楽しい思い出になっていたら。そんなふうに願っています。 

【写真:健診後、紙風船で遊ぶ子どもたちの様子】

養護施設「共生の家」で、日本の夏祭りを

検診とあわせて、私たちが毎年大切にしているのが、子どもたちとの交流の時間です。

さまざまな事情から親と離れて暮らす子どもたちが生活する養護施設「共生の家」では、今年、日本の夏祭りを開催しました。かき氷、焼きそば、お好み焼き、スーパーボールすくい、ヨーヨー釣り。みんなでハッピを着て、思いきり楽しいひとときを過ごしました。 

子どもたちの弾けるような笑顔に、私たちのほうがたくさんの元気をもらった。そんな、忘れられない時間になりました。

【写真:夏祭りの様子(かき氷・ヨーヨー釣り・ハッピ姿など)】

おわりに

活動期間中は外来診療を一部お休みし、患者の皆さまにはご不便をおかけしました。あたたかく送り出してくださったことに、心より感謝申し上げます。

子どもたちの健康を守り、その先の地域の未来へつなげていく。

その想いを胸に、私たちはこれからもこの活動を続けてまいります。 

検診の詳しい内容や、活動を通じて見えてきたこと、これからの取り組みについては、集計を経て、後日あらためてご報告します。どうぞ続報をお待ちください。

実施概要

実施期間:2026年6月7日〜11日(医科チーム。移動日を含む行程。現地での活動は6月8日〜10日の3日間)

支援地域:シェムリアップ州

検診人数:約300名
・Butterfly Paradise Orphanage(約170名)
・Kvien Primary School(約130名)

問診票アンケート:約350名
(上記の子どもたちに加え、アンコール大学の学生など約50名にもご協力いただきました)

講義:アンコール大学 看護学生向け 側弯症の講義

参加人数:計26名(医科チーム13名/歯科チーム13名)

法人別
・鴻愛会 医科チーム:13名
・フォレストデンタルグループ:10名
・医療法人メイ・ロイヤル:3名

医科チーム13名の内訳
・医師:7名(こうのす共生病院 2/松園第二病院 1/北里大学メディカルセンター 1/群馬大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 1/東北大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 1/ほか 1)
・理学療法士:2名(こうのす共生病院)
・言語聴覚士:1名(東北大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科)
・看護師:1名(こうのす共生病院)
・事務・帯同生徒:2名(こうのす共生病院)

スケジュール(医科チーム)
・6/7:日本から移動
・6/8(1日目):アンコール大学での講義、Butterfly Paradise Orphanage での検診
・6/9(2日目):Kvien Primary School での検診、アンコール共生病院での診察・治療、共生の家での交流(夏祭り)
・6/10(3日目):訓練学校の見学(夕方、現地を出発)
・6/11:日本到着

※本記事中のカンボジアに関する数値の出典:医師数(人口あたり)はWHO・世界銀行、人口構成(15歳未満の割合)はCIA World Factbook ほかによります。

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