2024.08.01カンボジア研修でロコモ健診!!
はじめまして。こうのす共生病院の理学療法士として勤務している船戸と申します。この度、じゃんけん大会にて勝ち抜き、カンボジア研修に行かせていただくこととなりました。勉強になったことや様々な体験をすることができたため、報告させていただきます。
今回の研修はフォレストデンタルクリニックと鴻愛会のメンバーでカンボジアの病院見学や小中学校や孤児院などで歯科検診・耳鼻科検診・ロコモ健診を実施することが目的となっています。
カンボジアのリハビリセンターの見学
カンボジアのリハビリセンターを見学させていただきました。リハビリセンターには、フィジオセラピストがいました。この方々のお仕事は、生活するために装具を使用するか、車椅子を使用するかなどどんな装具が適しているのか判断しています。リハビリセンターの中に装具を作る場所があり、採寸した装具をその場で作れるとのことでした。ここでは国の支援のもと義足を無料で提供しています。以前は地雷が原因で義足が必要な方が多くいましたが、現在は糖尿病などで切断が必要となった患者さまが多いとのことです。リハビリセンターに当日の朝、義足を作成した患者さまがおり、その場で自転車を漕いでいたり、独歩、不整地歩行ができていて「スーパーおじいちゃんだ」と思いました。装具がすごいのか、おじいちゃんがすごいのか、義足は何日も練習するものだと思っていた自分はとても衝撃を受けました。
小中学校でロコモ健診
クロバイリエル小中学校・クヴィアン小中学校で合計460名のロコモ健診を実施しました。ロコモ健診では、運動歴・睡眠時間・ゲーム時間についての問診といくつかの動作ができるかどうかを実施しました。私は、子どもたちの前で動作のお手本をする仕事を主にしていました。事前準備として、カンボジアの言語の説明表やクメール語を少し覚えて説明できるようにしていましたが、英語でもある程度の年齢の子供達には伝わり、小さい子供達はアンコール共生病院の方の協力のもと、なんとかボディランゲージ等で伝えることができました。子供たちの年齢は、3歳~16歳と幅広く、年齢が低い子は裸足やサンダルの子が多く、年齢が高くなるにつれて靴の子が多い印象でした。ロコモ健診を実施して、日本の子供達はしゃがみこみができない子が多いですが、カンボジアの子供達はしゃがみこみは問題なく行えていました。しかし身体を前屈させたときに床に指がつかない子は意外にも多く50.7%もいました。また、問診結果から、携帯やゲームを持っていない子が多くいました。起床時間として朝5.6時に起きている子が多く、日本と比べて早起きな傾向がありました。携帯・ゲーム持っていない子やテレビが家にない子が意外と多く、小中学校での子供達の様子をみていると「サイ」という道具を使った遊びやゴム飛び、縄跳び、サッカーなどで遊んでいる子が多く、外でみんなと遊べるものが多いと感じました。ロコモ健診を実施して、皆上手に真似をしてくれたり、お礼をいってくれたり、カメラを向けるとポージングしてくれたり、皆明るい笑顔でとても元気をもらいました。
アンコール共生病院の見学
カンボジアでは日本のように症状が治るまで通院するという考え方ではなく、病院にきたので一度で治してほしい、治らないなら来ませんというような考えが一般的でした。カンボジアでは全員が医療を受けられるわけではないため、アンコール共生病院では、地域の方に対して無料検診を実施しており、一人でも多くの人が医療を受けられる環境づくりをしていました。
病院見学、ロコモ健診を実施して
州立病院、アンコール共生病院の見学をして、カンボジアの病院を退院したあとはそれっきりとなる方が多いと聞きました。カンボジアで理学療法士として関われることはなんだろうと考え、退院後の動作指導や注意点、継続してほしい運動を伝えることができると思いました。それよりも前に、一人でも多くの人が医療と関われるということが大事と思いました。ロコモ健診では、前屈ができない子どもたちに対して運動前、運動後のストレッチの重要性や怪我の予防のためのストレッチ指導をその場で分かりやすく説明できたらより良かったと思います。
最後に
日本の医療しか知らなかった私が、今回の研修で海外の医療を知ることができ、カンボジアでも日本でも自分だったら何ができるのかを深く考えるとても良い機会となりました。
2024.07.18【カンボジア研修】ジャンケン大会で最後の人枠に
初めまして私は、こうのす共生病院の病棟で看護師として勤務しています二瓶と申します。この度、カンボジア研修に参加させていただき現地で医科歯科連携を経験させていただいたのでここに報告させていただきます。また、現地での様子や感じたことをブログから共有させていただきます。
最後の人枠に入れるなんて・・
織田先生と行く!カンボジアでのロコモ検診お手伝いメンバー募集と連絡があり病棟の同期とジャンケン大会に参加させていただきました。参加していたのはリハビリ科や地域連携室、看護科などおおよそ25~30名が参加していました。織田先生とジャンケンを行いメンバーが絞られていく中、最後の人枠に入ることができました。海外研修は看護師となり初めての経験となるため緊張と楽しみの気持ちでいっぱいでした。今回はロコモ検診という目的がありましたが、はじめはどのように進めていくか想像することができず、一緒に行くメンバーと試行錯誤しながらアンケート・運動機能の評価など作成していきました。
カンボジアへ向けて出発
日本からカンボジアへの直行便はなく、ベトナムを経由しました。成田空港からベトナムまで4時間・シェムリアップ・アンコール空港まで2時間のフライトになります。空港から車で1時間ほど走りシェムリアップという町に向かいました。
カンボジアの医療
シェムリアップ州にある州立病院とリハビリ施設に見学に行ってきました。
州立病院はシェムリアップ州の同州及び周辺の患者が集まってくる拠点病院になっています。1970年代に建設された施設であり、老朽化や機材不足により、医療のニーズに対応できていませんでしたが、2020年に新しく建設された病院です。
日本では救急要請後、病院に受け入れ可能か連絡が入りますが、カンボジアでは直接病院に救急搬送されるか、家族が直接病院に運びます。州立病院は救急室5床あり、専門の先生が振り分けを行い診察をしています。産婦人科は病棟が違う棟にあるため、その他の疾患の患者が運び込まれます。一日60~80名が来院し治療を行っています。救急処置室では緊急手術も対応できるように整えられていました。放射線科も専門の職員が3人勤務しています。レントゲン検査やCT検査などは行える環境が整っていまいしたが、MRIは整備されていませんでした。現在CT検査の中で一番多い疾患は脳梗塞だそうです。入院患者は75人で看護師は6人配属されており、日勤は4名、夜勤は2名で対応しています。カンボジアでは家族の付き添いが基本であり、トイレ介助や身の回りの世話は家族行っています。病院食の提供がないため家族が調理し病院に持ち込み介助しています。
ICU病棟には異国からの支援がありモニターや12誘導・人工呼吸器などの医療機器がたくさん備えられていました。手術室は6床あり頭部・胸部・腹部・骨折の手術を1日20~30名行っています。フランスで2年間勉強を行い異国で学んだ技術を提供しています。手術終了後2時間経過観察を行いその後、重症の患者はICUへ軽症の患者は病棟に振り分けされています。異国からの支援で医療機器に不便はなさそうでしたが、医療従事者として働く職員が少なく感じました。日本のように他職種で診療を担うのではなく、家族の支援で診療が助けられていることに気づかされました。
リハビリ施設の見学へ
病院の中にあった施設が、病院から離れて2022年に完成したリハビリ施設に見学に行ってきました。
シェムリアップ州には3ヶ所義肢を作れるところがあります。寄付金で建設されているリハビリ施設です。医師と理学療法士が2名勤務しており義足や車いすを作っていました。リハビリ室には父と母・2歳ぐらいの女の子がリハビリを行っていました。女の子は生まれつき水頭症という疾患を持っており下肢に障害が残らないようにリハビリを行っていました。リハビリ施設で対応ができない場合は専門の先生に診てもらうように連携を図っています。義足を作成する人で多いのが地雷による切断・糖尿病による壊死・交通外傷による切断だそうです。現在は地雷での切断はなくなってきていますが、糖尿病による壊死が多くなってきています。義足の作成には4週間かかります。リハビリ施設まで1~2時間かけて病院に来る人がたくさんいます。義足は無料で作成しており、交通費も国が支援しています。
義肢を作成する人は異国で3年間勉強を行い、知識や技術を学ぶそうです。
外で、自転車を上手にこいでいる男性に出会いました。「義足を付けて何年ですか?」と通訳していただき質問したところ、今日完成した義足ですと返答がありました。15年前に地雷で左足を失って松葉杖で生活していましたが、リハビリ施設にきて義足を作ってもらい2024年6月10日に完成した義足で歩行していたところが印象的でした。嬉しそうに、歩いている姿を見て感動した一コマです。
ロコモ検診・耳鼻科検診
医科・歯科連携とのことで、運動機能評価であるロコモ検診ならびに耳鼻科検診を行ってきました。
日本の子どもとカンボジアの子どもで運動機能にどのくらい差があるのか評価していくことになりました。織田病院長から運動器検診の際の留意ポイントや質問事項がなどの項目を挙げていただきメンバーで話しあいながら作成していきました。カンボジアの言葉はクメール語で日本語をクメール語に直すと言葉の意味が全く異なった意味になってしまい、とても苦労したことを覚えています。現地の職員にクメール語へ直していただきロコモ検診・耳鼻科検診をクロバイリエル小中学校・クヴィアン小中学校で行うことができました。2日間で計460名の幼稚園児・小中学生を評価することができました。
肩甲骨と股関節の柔軟性を見る項目で指が床につかない生徒が多いことに気が付きました。日本ではしゃがめない子どもたちが多いと統計がでています。ロコモ検診・耳鼻科検診のお手伝いを行い言葉の壁は感じませんでした。検診中も笑顔が絶えず、子どもたちからたくさんの元気をもらいました。
世界遺産であるアンコールワット タ・プロームへ
最終日、世界遺産でもあるアンコールワットとタ・プロームへ観光にいきました。ガイドさんに案内して頂きながら早朝の朝焼けを見にアンコールワットに出発しました。中には美しい彫刻が刻まれており、カンボジアの歴史について学ぶことができました。タ・プロームではガジュマルの木が私たちを出迎えてくれました。樹齢300~400年の大木が寺院を押し潰すかのように絡みつく光景は圧巻の迫力を感じました。
支援の輪をカンボジアへ
元気グループの支援施設を実際に見学させていただき、初めて元気グループが行っている支援内容について知ることができました。アンコール共生の家は2019年3月より運営が開始となりマンゴーの木や・花・野菜を育て鶏など飼育しています。貧困、暴力、犯罪など様々な理由で親との生活が困難になった6歳~17歳までの男女11名が共同生活をしています。アンコール共生の家の子どもたちが、日本のカレーとうどんが好きということでフォレストチームと一緒にカレーうどを作りました。作っているときはどのような表情をして食べてくれるかものすごく不安で心配で仕方ありませんでしたが、おかわりする子どもたちがたくさんおり、飛び切りの笑顔を見せていただき嬉しかったす
最後に
カンボジア研修に参加させていただきいろいろなことを感じさせられることがたくさんありました。
元気グループの支援活動について実際に目で見て肌で感じることができ素晴らしい活動を行っていると感じました。今回、医科歯科連携ということで歯科検診・ロコモ検診・耳鼻科検診のサポートを行ってきましたが、この小さな行動が成長していく子どもたちに少しでも力になれたらいいなぁと感じる5日間になりました。なによりも子どもたちからエネルギーをもらい私たち自身が元気をもらえたかけがえのない研修となりました。たくさんの人に協力していただき無事、研修を修了することができましたこの場を借りてフォレストチーム・鴻愛会のメンバーにお礼を申し上げます。本当にお世話になりました。ありがとうございました。
二瓶 美穂
2024.07.11【リハビリ】高齢者に対するインソール効果
第35回日本運動器科学会にて、当院の理学療法士の鈴木さんが、TENTIAL社と共同で研究した「高齢者に対するインソールの効果」が、「若手奨励賞」を受賞されました✨鈴木さんへ今回の発表に対し、どの様な思いで取り組まれたのか、今後の展望について語っていただきました🎤
日々の生活にリハビリテーションを
Q:発表のテーマ、目的を教えてください。
鈴木:テーマは『高齢者に対するインソールの効果-TENTIAL社製インソールを用いて-』です。インソールを使用することで転倒予防効果があるのか?を研究の目的としました。
日本の高齢化は急激に進行しており、現在28%を超え“超”高齢化社会とされています。高齢者の転倒は重篤な怪我に繋がり、要介護原因の上位となっています。介護予防、傷害予防の観点から転倒予防は重要な社会課題と言えます。そんな中、リハビリテーションは効果的だと言えますが、すべての人に提供することは難しさがあります。そこでインソールに転倒予防効果が見いだせれば、簡単で手軽に挿入することができ、日々の生活や運動がリハビリテーションを兼ねていることになり、我々セラピストの手が届かない地域住民の歩行機能・バランス機能の向上が転倒予防があるのでは?と考えました。これは介護予防などだけでなく、健康寿命の延長や生活の質(QOL)の向上にもつながると思います。
研究と分析
Q:どのような方法で研究をおこないましたか?
鈴木:AYUMI EYEというベルトタイプの動作分析装置を用いて、歩くスピードやバランスや重心のブレなどを計測しました。また、バランス能力に強い相関がある足の指の握る力(足趾把持力:手でいう「握力」)を専用の機器を用いて計測しました。
Q:研究データの収集、分析方法を教えてください。
鈴木:各被験者の計測結果をパソコンで管理し、インソール装着前とインソール挿入直後の1週、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月の変化を比較検討しました。
維持期・生活期の自然回復へアプローチ
Q:今回の研究結果がリハビリの現場にどのように影響すると考えますか?
鈴木:入院患者さん、特に急性期の患者様はセラピストの介入が毎日あり、また自然回復の可能性もあります。対して機能がプラトーに達した維持期・生活期の患者様にはリハビリの回数も少なく、自然回復も乏しいです。今回の研究は後者向けに意義があると考えています。本研究の対象者は平均年齢89.3歳であり、先行研究でも発表されていない年齢層でした。また、施設入居者であるため活動もそこまで多くはない中で得られた研究結果でもあります。今回の研究結果からリハビリにかかる必要が現時点でない一般の方々にも転倒予防、傷害予防の効果があると私は考えています。
対象者の意識改革
Q:研究を進める中で印象に残っているエピソードを教えてください。
鈴木:対象者の方々が計測を待ちわびてくださってっていたことです。次はいつ来るの?計測最終回ではもう来ないの?などの声が聞かれました。歩きやすくなったり、歩くスピードが向上したことが喜びに繋がっていたようです。また、徒手的な介入をしたわけでもなくインソールを入れただけで、各個人が自分自身の体や歩き方姿勢などを気にしてくださり体に意識が向いていていたところは驚きでした。
セラピストの皆さんへ
Q:リハビリを担うセラピストの皆さんに伝えたいメッセージはありますか?
鈴木:約90歳という身体機能が大きく落ち込んでいるであろう方、体力的に負荷をかけた運動が難しいと思われる方などにもインソールという手軽な手段で機能の維持・向上がはかれました!年齢に関わらず可能性があると思います。患者さんだけでなく、職員も使用することで傷害予防などにもつながるのではないでしょうか!
今後も研究を進めていきます!この研究が多くのセラピストの臨床の一助となれば幸いです。
研究を支えてくれた仲間たちへ
鈴木:本研究発表を行うにあたって、神成理事長をはじめスライドの修正やアドバイスをしてくださった皆様に感謝申し上げます。また、発表に至るまでの計測や解析を手伝ってくれた研究班メンバー、さらに計測で席を外している中、臨床を回してくださったリハ科スタッフの皆さまに感謝申し上げます。
鈴木さんのプロフィール
鈴木優希 理学療法士
2013年~2022年7月栃木県医師会塩原温泉病院勤務、回復期リハでスポーツ選手のリハビリ(競輪、競馬、競艇、野球など)、中枢神経疾患、運動器疾患患者へのリハビリ。2014~2015年は塩原温泉病院に勤務しながら国際医療福祉大学大学院 修士課程修了(保健医療学)研究分野は運動力学 三次元動作解析装置=VICONを用い研究。
2022年8月よりこうのす共生病院勤務
注力している分野:運動器、スポーツ
資格:修士(保健医療学)、運動器認定理学療法士、福祉住環境コーディネーター2級、一般社団法人日本運動器理学療法学会専門会員A、一般社団法人日本スポーツ理学療法学会会員、地域包括ケア推進リーダー、介護予防推進リーダー、(公益社団法人日本書道作家協会公認書道教授=師範)
趣味:オートバイ、ロードバイク、御朱印、野球、スノーボード
2024.07.09コミナス総本山、雲南市を視察して
エピソード1~コミュニティナースプロジェクトとは~
こうのす共生病院 訪問診療部 看護師 加藤です。
私が当院に就職した際に「コミュ二ティナースプロジェクト」(以下コミナス)参加者募集!とのアナウンスがあり、何のことかわからず加入した当プロジェクト。この記事を読んでいる方も「ん?コミナスとは何ぞ?」と思われていることでしょう。
一言で申し上げるなら「人とつながり、まちを元気にする」というコンセプトのもと「毎日の嬉しいや楽しい」を
一緒に作り、心身そして社会的に健康やウェルビーングに寄与することです。(CNC:HPより1部抜粋)
最近では孤独死という言葉をよく目にすることになりました。「孤独」とは一人で暮らすことだけではありません。社会との繋がりがなかったり、人との繋がりがなかったりと、人々の繋がりが消えてしまうことも「孤独」と言えます。鴻巣市から孤独を消すことが、鴻巣市で暮らす人々の健康に寄与できるのではないか?
そんな思いを胸に、我々は鴻巣市に暮らす様々な世代の繋がりを病院という枠組みを超えて作り出すことを目標に、「こうのす共生病院コミ二ティナースプロジェクト」を始動しました!
病院は「具合が悪くなってからくる場所」ではなく、「人々の繋がりを生み出し健康増進に寄与する場所」となることが我々の考える新しい病院の形だと考えます。
さて、そんなコミナスプロジェクト、そのプロジェクトの本社がある島根県雲南市に視察研修の募集がかかったため、参加させていただきました。
「まじ!?島根いけるの!?出雲大社とか見てきたい!観光!観光!」という邪な思いなど一切なく、「本気でコミナスを学びたい!」という私の熱い思いがどうなったのかを、次項にて説明していきたいと思います。
エピソード2に続きます。
2024.07.01レントゲン画像のAI診断について
こんにちは!
こうのす共生病院の放射線科です。
新しくこうのす共生病院に導入されたAIシステムの紹介をしたいと思います😊
近年何かと話題になっているAI技術ですが、皆さんの生活にも身近になっており、実際にAI機能を用いた機器や機能を利用している方も少なくないと思います。最近では、人間と同じように自然な会話ができるAIチャットサービスや、AI機能を用いて画像や動画、文章などを生成してくれるサービスも有名ですよね。
今回この記事を作るにあたって調べてみましたが、多くの業界でAI技術が活用されていて本当にびっくりしました😳(物流・飲食・金融・保険などなど)このように分野問わず様々な業界で活用されているAI技術ですが、医療業界も例外ではありません。
当院においても移転と同時に更新・新規導入したCT装置・MRI装置にも検査時間の短縮や画質の向上などを目的としたAI機能が入っています。
そして令和5年度より、胸部X線画像に対して読影をサポートするAIシステムである『EIRL Chest Nodule』を導入しました😊
胸部X線画像は、簡易的に撮影できるほか様々な情報が得られるため、健診や入院時、肺の疾患が疑われる場合などさまざまなシュチュエーションで撮影されます。しかし、1枚の胸部X線画像には〔肺・心臓・動脈・静脈・肋骨・横隔膜など〕というような様々な臓器や組織が含まれ重なって描出されているため、その中から異常な所見(腫瘤や炎症など)を見つけるためには、時間や集中力が必要となります。
今回導入したシステムは、撮影から数分後にはAIシステムが自動解析を行い、異常な所見があった箇所に赤枠のマーキングをした解析画像が作成されます。
このシステムにより1日何十枚もの胸部X線画像をみている医師の補助につながっています。
これからも今では想像もできない技術が開発・実用化されていくと思いますが、生活だけでなく一人一人の健康が豊かになる技術に期待してしまいますね🤩🏳️
2024.06.27ドクターズ・ファイルに掲載されました
織田病院長のインタビュー記事が
ドクターズ・ファイルに掲載されました✨
織田病院長の想いや当院の魅力、地域の方々へのメッセージが記載されています。
ぜひ、ご覧ください🤗
織田病院長は整形外科を担当されています🦴
今後とも、こうのす共生病院を
よろしくお願いいたします🏥
2024.06.24【MEET+(ミータス)】なんでも交流会活動報告
こんにちは、MEET+(ミータス)です。
私たちは、病院の中だけでなく街に住む多くの方と触れ合いたいと思い〝なんでも交流会〟を開催しているチームです。エルミこうのすショッピングモールや、こうのすタンポポ翔裕園で開催された、GENKIフェイスでの〝なんでも交流会〟での様子や、私たちの自己紹介をさせていただきます。
MEET+(ミータス)の立ち上げ
こうのす共生病院では医療と介護の壁を壊し、人とヒトをつなぎ「共に生きる」地域を創ることを目指しています。たくさんの人と繋がってたくさんのお話しを聞きたい、病院のスタッフとして、そしてなにより人として誰かのお役に立ちたい、そんな思いを込めてチームを立ち上げました。MEET+のメンバーは看護師、薬剤師、管理栄養士、社会福祉士、医療事務など、多職種で構成されています。
MEET+(ミータス)の由来
ラテン語で、導くMEET(出会い)を+(重ねる)満たす。そしてもう一つ、MEET US(私たちに会いに来てほしい)これが、MEET+の名前の由来です。
MEET+の活動内容と展望
私たちが開催する〝なんでも交流会〟はお体のこと、薬のことから介護保険のことまで医療に関する相談はもちろん、孫の誕生日プレゼントを一緒に考えたり、進路相談、今夜の夕飯メニューまで、〝なんでも〟お話しを伺っています。そして私たちは病院内の特設ブースだけでなく、地域の商業施設やイベントでも交流ブースを設けて活動しています。家族連れで活動に参加するメンバーもおり、家族ぐるみで地域の方々とのコミュニケーションを楽しんでおります。また、MEET+では〝なんでも交流会〟へ多くの方々に参加いただけるよう、チャリティバザーや血圧測定などのお楽しみイベントも同時に企画しています。
鴻巣市に住む方々にとって、心地の良いコミュニティの構築、地域に住む方々のウェルビーイングや日常生活の幸福にコミットする。そんな活動を続けていきたいと考えています。街のどこかで、【MEET+(ミータス)】を見かけた方はぜひ、お気軽にお声がけください。
2024.06.12NOBORI(PHR)によって会計の待ち時間がなくなります!
NOBORI(PHR)によって
会計の待ち時間がなくなります!
こんなご経験ありませんか?
- 病院受診に半日要することが多く、ほかの予定を入れにくい・・・
- 体調が悪い中、長時間も待たされるのはとてもつらい・・・
- 医療費を管理するのが大変・・・
そんなご意見から、患者様にとって受診しやすい病院を目指すために、当院ではNOBORI(PHR)を活用し、病院の滞在時間を減らす取り組みを行っております。
NOBORI(PHR)とは?
NOBORI(PHR)とは、Personal Health Recordの頭文字を取った略語で、患者様の健康・医療に関する情報をさしています。患者様ご自身のこれまで病院に受診した日、次回受診する予定日、採血結果、お薬情報などをスマホ1つで確認することができます。
※詳しくは、NOBORI(PHR)ー医療情報管理アプリについてをご覧ください。
医療費後払いサービス
NOBORI(PHR)に登録しクレジット登録しておくだけで、診察が終わった後に会計を待たずにご帰宅いただけます。
以下の手順に沿って、ご登録ください。
アプリインストール
STEP.1
iPhone/iPadをご利用の方はApp Storeから、Andorid端末をご利用の方はGoogle Playから「医療情報管理アプリNOBORI」をインストールできます。(「のぼり」で検索できます。)
(iPhone/iPad(iOS 11.0以降)およびAndroid(Android OS 5.0以降)に対応)
利用者登録と医療機関登録
STEP.2
インストールしたアプリを立ち上げ、画面に沿って利用者登録をしてください。
STEP.3
医療機関登録画面で、「こうのす共生病院」と入力し、「登録する」を押してください。
医療費後払い設定
STEP.4
「設定」画面から、クレジットカードの情報をご入力ください。
当院で医療情報の連携作業
STEP.5
ご来院されましたら、「NOBORIを登録しました」と受付職員にお声かけください。
患者様の医療情報を連携致します。
医療費後払い(当日)
STEP.6
医療費後払い機能を利用したい方は、アプリ画面を受付職員にご提示ください。
※過去のご精算が残っている場合は、院内でご精算をお願いする場合がございます。あらかじめご了承ください。
医療費後払いサービスで、叶えられること
- 診察終了後、すぐご帰宅いただけます!
- お買い物やご自身の時間を有効的に使えます!
- 医療費をスマホで一元管理することができます!
ぜひご活用ください。
2024.05.27カンボジアでの医療視察 その2
こんにちは
非常勤医師をしている松山敏之です。
カンボジアでの医療視察についてお話する前に、その1ではカンボジアの歴史と現在のカンボジア医療体制についてお話させていただきました。
今回は、本題のカンボジア医療視察の話をしたいと思います。
私がカンボジアの医療視察で思ったことを簡潔に言うと
『カンボジアの人は病院に行かない』です。
それは、お金がないからとか医療体制が整っていないからとか様々な理由があると思います。さらに、私が個人的に思ったことは、お腹が痛いとか熱があるとか、そういうものに対して、病院に行くという感覚がまずないように思いました。今、本当に相当困ってないと病院には行きません。
現在の軽い症状でさえも病気として捉えていないのですから、血圧が高いとか、血糖値が高いなどの長期予後や病気を予防するという概念はまだまだ先ですよね・・・。
では具体的に医療事情をみていきましょう。
カンボジアの医療保険
前回のお話でカンボジアには包括的な医療保険はないとお話しました。そのため、カンボジアでは保険の加入によって受けられる医療がだいぶ変わってきます。
①大都市での民間病院医療
②中都市での民間病院医療
③公立の病院医療
④小児病院
と4項目でお話します。
ちなみに日本は国民皆保険ですので、基本的に全国民が3割負担(高齢者は所得によって負担率がかわる、0割の方もいる)です。高額医療費という制度もあります。民間病院でも公立病院でも患者側が支払うお金は同じです。その自己負担金を、さらに個人医療保険で払う人もいるといった感じですね。
大都市での民間医療
我々は今回ベトナムでも医療視察しました。
ベトナムの首都ハノイと並ぶ2大都市、ホーチミンの民間病院を見学させてもらいました。民間病院を受診できる人は富裕層や海外駐在員、海外旅行者などが対象です。
まず思うことは、院内がきれいで医療設備が非常に整っています。最新のCT、MRI、エコーにオリンパス上部下部内視鏡まで揃えてあり、院内で採血検査、培養検査もできます。
外科、内科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、歯科など、ひととおり診察することができます。皮膚科では美容レーザー、脂肪吸引まであり、なかなか日本でもここまで医療設備がそろっている病院はないのではないかと思う立派な病院でした。検査をして、そこからの実際の医療の質がどうかはまでは、見ることはできませんでしたが、病院設備はすごかったです。
中都市での民間医療
カンボジアの世界遺産であるアンコールワットがあるシェムリアップという都市に元気村グループのアンコール共生病院はあります。シェムリアップは観光客が非常に多いので、わりと大きい都市ではあります。 アンコール共生病院を見学させていただきました。
病院の受付にER
院内で採血もできますし、心電図もありました。
新しくきていただいた眼科の先生の診察室
手術室はありましたが、現在稼働はしておらず。
歯科も依然は診療していましたが、現在は行っていませんでした。
ひととおりの医療器材はあり、プライマリーケアは行えるといった感じです。
ただ、心電図でST上昇があり心筋梗塞を疑ったり、麻痺、意識障害で脳疾患を疑ってもそこから専門医はいませんしCT、MRI、カテ室、手術室はないので、そこから搬送となりますが、搬送先は車で5,6時間かかる首都プノンペンになります。その患者さんがどうなるか、想像は難しくありません。 お金がなくて病院は受診できないが、お金があって病院に受診しても、緊急疾患であれば診断治療ができない。それが中都市の民間病院です。
公立病院の医療
カンボジアの国民のほとんどは病気になると国の病院に受診することになります。シェムリアップの州立病院を見学させていただけました。 中央にある棟は最近、日本支援で建設された棟でこの建物はきれいでした。
院内内部の医療器材は見られなかったのですが、CT、MRIはあるみたいです。ただMRIは子供に限られ、それも本当に必要だと判断された小児のみということです。 写真は入院棟で現地の人はICUであると言っていました。酸素は壁に配管されておらず、ボンベが外に並べられています。室内は不衛生で、感染対策はされていません。食事病衣の提供はなく、家族が持ってくるとのことです。栄養管理や食事形態の調節は行っていないということです。
患者さんが多すぎるため、室内に入りきらず、外にベッドが置かれています。大きな部屋に所狭しとベッドが並べられて点滴がつなげられています。
状況をみるからに、検査や診断はされていないと思われ、おそらく対症療法だけかと思われます。苦しければ酸素、点滴、抗生剤といった感じでしょうか。感染症や外傷患者以外にも癌や血管系、膠原病などの患者もいるでしょうが、おそらく診断までいかずといった感じが見受けられました。
けっこう衝撃を受けました。
小児病院の医療
小児の医療に関しては、海外からのNGO団体が支援を行っているため、非常に充実していました。NGO団体が支援している子供病院を入口だけ見させていただきました。支払うお金はいくらでもいいみたいです。払えるだけ払ってくださいという制度のようです。
すべての施設で医療設備のみの見学で実際の医師が行う医療の内容までは見学できませんでした。機会あれば、今後は実際の医療内容まで見学できたらと思います。
小括
・カンボジアの医療は格差が非常に高い 。
・大部分の貧困層の医療は今現在も非常に低い。
我々に何ができるのか
国民皆保険である日本では、すべての人が簡単に医療機関を受診することができます。受けられる医療も高く、必要な場合には後方機関に速やかに受診することができます。先進国では現在、感染領域、腫瘍領域、免疫アレルギー領域などでは、遺伝子やタンパク発現から疾患を治療していく治療が最先端となっています。ノーベル医学賞などで有名になったオプジーボ®などの免疫チェックポイント阻害剤などは本当にまだまだまだ先の話なんだと思います。
カンボジアでは今、耐性菌が問題となっているようです。
薬剤の法整備がしっかりしていないため、町の薬局で抗菌剤が簡単に買えます。ペニシリン系のみならず、ニューキノロン系まで買えるとのこと。おそらく、先進国などで製造される安い後発品が流れてくるものと思います。またステロイドも買うことができます。患者さんは効いたから使おうとキノロン系抗菌薬やデキサメタゾンなどのステロイドを内服します。もちろん、キノロン系抗菌薬やステロイドを内服すれば、大体の感染症、免疫アレルギー疾患は改善します。ただ医療知識がある人間からしてみれば、そのような薬剤を乱用してしまったら近い未来にどうなるか。想像は難しくありません。
途上国での新しい医療問題を目にしたような気がしました。
我々にできることはたくさんあるけれど、根は深いです。
どうすればいいのか、考えていく必要があるのです。
最後に
日本の医療は高度でいつでも病院を受診ができ、清潔で便利です。やっぱりカンボジアより日本の方が良かったかと言われると、実はそうだと即答はできません。
現代日本医療は、ハラスメントや訴訟など多くのリスクを抱えながら医療を行います。人とのコミュニケーションに慎重になるだけでなく、医療行為を行うにも同意書だらけです。医療側と患者側の関係が希薄になっているだけでなく、医療スタッフ間の関係も以前より関係が希薄になっていると感じるのは私だけではないと思います。
カンボジアは医療レベルが低く、不便なことも多いですが、カンボジアの人々は互いに助け合うことがまだまだ生活の一部となっており、笑顔や思いやりなど、人と人との間に温かみが溢れています。
物質的な豊かさはあるけれど、世知辛い日本より、人間の温かみに溢れている心豊かなカンボジアのほうがいいと思う面が多くあるのです。私たち日本人は、互いに支え合う感謝や親切、思いやりなどどいった人間の温かさの大切さをカンボジアの人々から学ぶことができます。ぜひ多くの方が、元気村グループの支援活動に参加し、現地に赴いていただきたいなと思います。
今回の医療視察では元気村グループ、神成裕会長、裕介理事長を始めとした元気村グループスタッフのお力で行くことができました。
また、フォレストデンタル、裕正先生、森村先生、鴻愛会、文裕先生、ベトナムではNgoc先生、Minh先生とその関係者の方々、アンコール共生病院、加藤先生、西本さん、翔子さん、長岡さん、ベトナムでの医療視察では齋藤さん
他、書ききることができないほど、本当に多くの方のご厚意、ご協力により行くことが出来ました。どなたも親切で元気村グループの人が本当に心暖かい方ばかりだと感じました。
この場をお借りし、感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
一緒に行ったこうのす共生病院看護師木村さん、こうのすナーシングホーム伊藤事務長、 ベトナム交換留学生トゥエットもありがとうございました。
他にも元気村グループでは学校の設立や職業訓練施設、孤児院への支援も行っており、そちらも視察させてもらいました。またそちらのことも書けていけたらなと思います。
松山敏之
2024.05.27【ICT】手指衛生キャンペーン
こんにちは。
ICT/感染管理認定看護師の竹入です。
今回は5/5WHO※1手指衛生※2デーにちなんで、当院でもキャンペーンを行うこととしました。
当院の手指衛生遵守率※3は去年平均37.4%・・・と、あと62.6%もの伸びしろを残し、今年度を迎えたため、手指衛生強化に努めたいと思っています。手指消毒剤をただ使えば良いというものではなく、以下の5つのタイミングが大切と言われています。
1.患者に触れる前
2.清潔/無菌操作の前
3.体液曝露リスクの後
4.患者に触れた後
5.患者の周辺に触れた後
手指衛生を促すために・・・
「WHO手指衛生自己評価フレームワーク2010年」という評価表があり、これをチェックしたところ、「職場での注意喚起」「施設の安全文化」という項目が不足していました。最高責任者が手指衛生改善を指示する強い姿勢を明確に示しているか、と問われており織田病院長に依頼しました。ただ、厳しい中にも楽しさも踏まえながら、院内の感染対策がより習慣化しやすいようにしたいと考えています。患者様からも、もし気になる点がありましたら、スタッフにお声かけいただければと思います。「その手はきれいですか?」と。
※1 世界保健機関のこと。「全ての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的として設立された国連の専門機関のこと。※2 手指衛生とは手洗いや手指消毒をして手を清潔に保つこと。※3 手指衛生が5つのタイミングに沿って行われているかを数値化したもの。
身近な菌と感染対策
話が少し変わりますが、日本防菌防黴学会によると、「トイレットペーパーを36枚重ねてようやく手から大腸菌群が検出されなくなる」との結果が報告されています。手にトイレットペーパーをくるりと巻きつけた長さを仮に20cmとして、36枚重ねるとしたら20cm×18回=360cm。これでお尻を2回拭く場合、一度に約7.2mものトイレットペーパーを使用する計算になり、不経済であるだけでなく、トイレに詰まりやすいという弊害も生まれます。不経済さもありますが、お尻を拭いた後の手にどれほどの菌がつきやすいのか容易に想像できますね。トイレを使うときは、大勢の人がドアの取手や洗浄レバー、ペーパーホルダーなど、同じところに触れるので、ウイルスや病原菌など目に見えない汚れが手に付く可能性があります。ということで、トイレ後の手洗いを徹底しましょう!