2021.05.28キレイな病院と環境整備

みなさんこんにちは。

こちらカンボジアより、アンコール共生病院(AKH)の西本です。

気が付けば5月中旬!!

私もカンボジアに来てもまもなく半年になりますが、
今は一日が終わるのをものすごく短く感じています。

カンボジアもコロナ感染者が激増しており、
シェムリアップの街もロックダウンとなりました。

移動や生活に必要な行動も即日厳しく制限され、
その辺りからも日本とは大きく違うお国政策を感じます。

それはそうと、こうのす共生病院の皆様、
新病院移転おめでとうございます!!

このブログを見てくれる共生病院の方もおられるとのことで、
この場をお借りしてお祝いを申し上げます。

それにしてもいいですね、新病院。

綺麗な病室と明るい廊下、そして最新の医療機器。

「環境」というのは働く職員にとってもそうですが、
それ以上に患者さんへの影響が大きいと私は思います。

暗くて汚い部屋では美味しいご飯も美味しくないし、
やる気も元気も出なかったり、治る病気も治りません。

ここで突然ではありますが、
皆さんの中学・高校時代を少し思い出してみてほしいです。

期末テストの期間中や受験勉強など、
自分の部屋で勉強をすることがあったかと思います。

でもいざ本格的に勉強を始めようとすると、
無性に部屋を片付けたくなったりしませんでしたか?

やる気満々で机に向かってはみたものの、なんか周りが気になる。
気になったところを片付けたら、また別のところが気になる。

最終的にはベッドの位置から本棚の整理まで大仕事。笑

結局1日目は部屋の片付けだけで終えてしまい、
テスト勉強は明日からなんて経験はありまでしたか?

余談になりますが実はこれ、カンボジア人もそうみたいです。
(カンボジアに行ってまで西本は何を聞いているのでしょうか)

勉強する前に部屋を片付けたくなってしまうのは、
日本人もカンボジア人も同じみたいですね。

なにが言いたいかというと、

「皆さんも勉強に向き合える環境が必要だった」

ということなのではないでしょうか。

そう考えると患者さんにも当然、

「治療と向き合える環境が必要」

なんだなと思って私はいつも働いています。

そういえば看護学生時代に最初に習ったのも、
病室の環境整備だったりします。

ナイチンゲールも著書の1ページ目で、
とにかくまず部屋のカーテンを開けろ!と言っていたような記憶があります。

学生の時はよく意味も理解せず聞いていたことですが、
年月を経てハッと心に響くことってありますよね。

私がこの考え方に気付いたのは看護師6年目くらいでした。

それまでも病室の環境整備はちゃんとやる方の看護師でしたが、
見た目のキレイや衛生面だけを意識していたので少し違いますね。

「患者さんが病気や治療に前向きになれる環境が必要」

そしてそんな環境を作るお手伝いをするのが、
看護師の環境整備なのかなと1つの答えにも辿り着きました。

しかし働いていると時々、部屋の片付けを断固としてお手伝いさせてもらえない患者さんもおられます。

そんな時にどんな対応ができるのか、上手く対応が出来ないスタッフに、
どんなアドバイスができるのかが看護師の腕の見せ所ではないでしょうか。笑

こうのす共生病院が新しくなったからという訳ではありませんが、
今回は「環境」に関するちょっとしたお話を私なりにしてみました。

なんだかこのような話をしていると、
全然カンボジア感がないですよね。

私ももっと見た目にインパクトのある日本とカンボジアの違い!!
的なブログを書きたいと考えてはいます。

でも今は日本とカンボジアで違うところというよりも、
「日本でもカンボジアでも変わらないこと」を感じることがとても多いです。

言語が違っても、学んできた内容が違っても、
健康に不安がある人への対応はそんなに変わりません。

だから働く国が変わろうと、病院が新しくなろうと、
私たちのやるべきことは今までと変わらないと思います。

最新の医療機器を使ったからといって自分の技術が上がる訳ではないし、
むしろ機械に助けられる部分が増えるので自分は退化してしまうくらいです。

こんな所からもやっぱり私たち医療人は、一生勉強なんだなって思ったりもします。

あ、そういえば1つ、日本との大きな違いを思い出しました!!

当院AKHにはCTスキャンがありません。

CTを撮りたいと思ったら市内の病院に行きますが、
30分から1時間くらいはかかってしまいます。

そしてさらにさらに、MRIがシェムリアップにありません。

MRIを撮るにはプノンペンまで、
救急車で5~6時間走る必要があります。

そんな時、救急外来に「頭が痛い」と高血圧のおばあちゃんが来たら皆さんどうしますか?

西本はゾッとします。

できればそのおばあちゃんには、
ただの寝不足か二日酔いであって欲しいと願います。

でも脳梗塞だったらどうしようとか、くも膜下出血だったらどうしようとか、
髄膜炎ってAKHで治療できるっけとか、いやいや頭だけに囚われていたらダメだとか。

医師の真似事をしているつもりは全くありませんが、
正直これが今の私のリアルです。

自分に足りない物が多すぎる!!

でも、焦るだけではもっと意味がない。

日々勉強。

またまた今回も最後は私のちょっとしたお悩み相談になってしまいました。笑

相変わらずの手探り状態もみくちゃ状態ではありますが、
西本も何とかやっていますので皆さんもどうかお身体には気を付けて。

それではまた次回お会いしましょう。

いつも最後まで読んでいただきありがとうございます。

2021.05.12開院・診療開始しました

ご報告が遅れて申し訳ありません。

このたび医療法人社団鴻愛会こうのす共生病院は、鴻巣市本町から拠点を移し、鴻巣市上谷にて診療を行っております。

近隣の皆様のご理解とご協力により、患者様の移送も何事もなく無事終わり、

外来もスタートして数日が経過しました。

 

まだまだ課題点が多く、皆様にはご迷惑をおかけしており大変申し訳ございません。

少しでも早く、満足いただけるような診療やサービスを提供できるよう

院内を整備し、安心して来院していただけるよう努力していく所存でございます。

 

これからも鴻愛会こうのす共生病院をよろしくお願いいたします。

2021.04.29新病院移転まであと少し

内覧会は様々な方々に参加していただき、無事に終了することができました。
内覧会も終了し、ついに新病院移転まであと数日となりました。
現在は引越し作業中で色々な方々にご協力いただいております。ありがとうございます。
また、移転作業には患者様、ご家族様、近隣住民の方々にご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。

設備が変わるだけでなく、診療内容、接遇、サービスなど皆様にご満足いただけるような病院へと進化できるようスタッフ一同精進して参ります。
宜しくお願い致します。

2021.04.23内覧会お礼

先日開催いたしました新病院内覧会では、ご多忙の折にもかかわらずご来院していただき、
心あたたまるお祝いをいただきまして本当にありがとうございました。

近隣病院様、関係者様のあたたかな心配りや応援のおかげで、
順調に開院に向けて準備を進めることができましたこと、心から感謝しております。
この上は、皆様のご期待と励ましに応えるべく、さらなる精進をする所存でございます。

ご対応させていただくことが出来なかったご要望・ご質問等がございましたら、当院までお問い合わせください。

今後ともご指導ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
まずは、書中にて御礼申し上げます。




新病院開院まで残りわずかになり
慌ただしい毎日を送っておりますが、
こうのす共生病院の進化を温かく見守っていただけたら幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。

2021.04.09一輪の花

日本の皆さんこんにちは。

こちらカンボジアより、アンコール共生病院の西本です。

写真は病院の庭にある土地の神様です。

前回の投稿より少し期間が空いてしまいましたが、
気が付けばもう日本は新年度ですね。

この度新たにこうのす共生病院にご入職された皆様、おめでとうございます。

引き続きこのブログを見てくださる人にとって、
少しでも明日の活力になれるよう私も頑張りたいと思います。

それはそうと、こうのす共生病院もいよいよ新病院への移転間近となり、
スタッフの皆さんは準備などますますお忙しい日々かと思います。

一方こちらカンボジアには日本のような年度始めというものが無く、
2021年は4月14日〜16日が国のお正月休みとなっています。

ただ今年も去年に引き続きコロナの影響で正月ムードは皆無であり、
学校も休校措置になったりと新入学の予定も立たないという状況です。

新型コロナウイルス感染症に関しては前回の記事でもお伝えしましたが、
市中感染発生から感染者数はこの1ヶ月で5倍以上に増加しました。

感染拡大は主に首都プノンペンですが、車で5〜6時間程の距離にある
ここシェムリアップにも徐々に感染拡大の波が近づいている気がします。

日本とは大きく異なるカンボジアの感染対策事情をこのままお話しするのも面白いかと思いましたが、
今回は新年度らしいことを私なりにお伝えしていきます。

「新年度」いい言葉ですね。私は割と好きです。

心機一転感があり、改めてやる気が少しだけ湧いてきます。

とりあえず今までの自分は全部リセット!!

昨年度の自分に目を背ける部分はありますが、
今日からもう一度頑張っていこうという新鮮な気持ちですね。

しかしそんな前向きな新年度をみんなが迎えている訳ではなく、
中には6月のボーナスまでなんとか耐えて頑張ろうという人もいるでしょう。

ただどちらにせよ新年度というのは、
「自分の環境が大きく変わる」ターニングポイントです。

働く場所が変わったり、一緒に働く人が変わったり、
立場が変わって先輩になったり、頼りにしていたあの人がもう居なかったり。

私も昨年の12月に突然カンボジアに来ましたので、
働くというかもはや生きる環境が大きく変わってしまいました。

思い返せばカンボジアで働こうと思った事もそうですが、
これまで私はあえて自分の環境を変える選択を多くしてきた気がします。

下の写真の花は病院から450kmも離れた、
カンポットという街から苗を持ってきました。

たくさんの苗を庭に植えましたが、
今咲いてくれているのはこの花だけです。

環境って大事ですね。

仕事の環境が変われば仕事の難易度も大きく変わります。

物の位置が分からないだけで仕事に時間はかかりますし、
何度も人に聞いたり迷惑をかけたりで心も疲れ気味になります。

三次救急から在宅ホスピスに転職したら難易度は下がるのかと言われたら、
確かにイージーな事もありますがそうではない部分もたくさんありました。

だから「環境が変わる」ということ自体が超ハードですし、
自分の「心と体の負担が一時的に増える」ことだと私は思います。

この一時的というのがいわゆる「慣れるまで」ってやつですね。

「早く慣れてね〜(プレッシャー)」
「慣れるまで大変だけど頑張ってね〜(プレッシャー)」
「もう慣れた?(プレッシャー)」

笑。

そして職場に慣れるというのは「その職場の環境に適応する」ことです。

職場や生活スタイルが変わる時、
私はとにかくその環境に適応する事を意識しています。

また新しく来てくれた人に対しては、
少しでもストレス無く環境に適応してもらえるよう接します。

昔、教育評論家の尾木ママが「親の役割は子どもを社会に適応させてあげること」と言っていました。

引きこもりでも不登校でも、社会に適応していれば何も問題はない。

親の役割はどうにか部屋から子どもを引きずり出すことではなく、
部屋の中の子どもを今の社会に適応させてあげることなのだと。

綺麗事に聞こえる人もいるかもしれませんが、
私はこの考え方を実践してから信頼してくれる人が増えた気がします。

コロナと新年度でさらにストレスレベルが上がる日本ですが、
5月病予防の為にこんな考え方もどこかで参考にして頂けたら嬉しいです。

今回はあまりカンボジアらしさのないブログとなってしまいましたが、
日本でこの考え方に気づいたからこそ、私は今カンボジアでも心身共に元気でいられます。

病院職員は自分の健康があってこそ良いパフォーマンスができると思うので、
皆さんもどうかご自身のお身体に一番にケアしてあげてください。

これから新病院でますます活躍されていく皆さんに負けないよう、
私もカンボジアでできることを少しずつ増やしていきます!!

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

2021.04.05令和3年度入社式&オリエンテーション

こんにちは。

新年度となり、令和3年4月1日に29人の仲間が鴻愛会にご入職されました。


コロナウィルス感染が蔓延している大変な状況の中ですが、これだけ多くの仲間が入職されたことは大変心強く、うれしい気持ちです。

入職された職員と共に、これまで以上患者様や御家族に満足していただける医療と介護サービスを提供していきたいと思っております。

何かとご迷惑をお掛けするとは思いますが、温かく見守っていただけたらと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

2021.03.30患者様移送シミュレーション

こんにちは。

新病院移転まで残り1ヶ月になりました。

ご入院されている患者様が安全に新病院に移送出来るよう
院内では職員全員でリハーサルを始めております。

入院されている病室から院外までの移送、救急車やバスへの乗降、新病院の入院される病室へスムーズに移送するために
たくさんシミュレーションをし、検討をしています。

入院されている患者さま、ご家族様はご不安かと思いますが、
しっかりと準備を行い、安心安全で新病院まで移送いたしますのでご安心ください。
もしなにかご不明な点やご不安なことなどありましたら当院までご連絡いただければと思います。
よろしくお願いいたします。



2021.03.17MRI装置搬入

こんにちは。

先日新病院に新たに導入するMRIの搬入がありました。

MRIの装置はとても大きいため、クレーンを使って新病院へ搬入されましたが、
今後新病院にいろいろな装置や機材が搬入されます。

近所の皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、
開院後新しくなったこうのす共生病院の見ていただき、地域に寄り添う病院を目指していきたいと思います。
引き続きよろしくお願いいたします。

2021.03.05新病院紹介特設ページを開設しました

こんにちは。

新病院が開院されるまで約2ヶ月になりました。

場所が移動するため、今通院されている方や地域の方々には大変ご迷惑をおかけいたします。
場所はどこにあるんだろう・・・
どんな病院になるんだろう・・・
何か新しいことができるのかな?
売店とかあるのかな?

など、いろいろとご不明な点や不安があると思います。

そのため少しでも解消していただければと思い、新病院に関する情報を記載した特設ページを開設いたしました。

新病院では新しいことをいろいろと始めてまいります。
より満足していただけるこうのす共生病院を作っていきたいと思いますので、開院までお待ちください。

新病院紹介特設ページ
 こちらをクリック
現病院ホームページ
 こちらをクリック

2021.03.01カンボジア王国でのコロナ事情

日本の皆さんこんにちは。

こちらカンボジアより、アンコール共生病院の西本です。

前回の初投稿ブログを読んで下さりありがとうございました。

現地ではまだまだ分からないことが多いですが、カンボジアのリアルな現状をこれからも皆さんにお伝えしていけたらと思います。

そんな西本の「カンボジア王国滞在記」をこれからもよろしくお願いします!!

第2回目の今回は、本当に今まさにカンボジアが直面している新型コロナウイルス感染症の現状についてです。

まず2021.2.20カンボジアの首都プノンペンで、カンボジア国内初となる
新型コロナウイルスの市中感染および32名の新規クラスター感染が確認されました。

それまでのカンボジアのコロナ状況はというと、隣国や航空機を経由した輸入感染は見られたものの、
国境や空港での検問、厳しい入国制限や強制隔離等により感染拡大が抑えられてきました。

しかしここにきて今まさに市中感染とクラスターが発生したということは、
カンボジア国内にとって更なる危機と大きなターニングポイントを迎えたと感じます。

簡単に言うと今まで以上に「抑えが効かなくなる」ということですね。

この市中感染発生によりカンボジア保健省は、3日後の時点で合計47箇所の施設を封鎖しました。

封鎖施設に居住する人は一歩も外出が許されず、また封鎖期間等についても今のところ発表はありません。

首都プノンペンのカンダール州にある学校は全て2週間の休校となり、
結婚式等の中止や飲食店等の完全閉鎖もあり得る状況です。

ここから感じたカンボジアと日本の大きな違いは、
「中止といったら中止」「閉鎖といったら閉鎖」という点です。

日本であればまず取りざたされる生活補償や休業補償、学業補填などの話は耳にすることがありません。

これにはきっと様々なお国事情が関わるので見識のない私は発言を控えますが、
私が思うのは“今のカンボジアは日本のちょうど1年前くらいの状況かな”ということです。

そういえば私は2020.4に長野県から埼玉県鴻巣市にやってきました。

比較的感染拡大がなかった長野県から、私はなぜわざわざあの時期に
より感染リスクの高い埼玉県に来たのだろうと今振り返ると懐かしく思います。笑

そこから8ヶ月間、日本における新型コロナウイルス感染症の変遷みたいなものを、私なりに見てカンボジアに来たという感じですね。

そんな思い出や経験もありながら私が今一番に考えていることは、
私たちの病院は「今何をすべきか」と「今何ができるか」です。

私の働く病院があるシェムリアップは首都から車で5〜6時間の場所にありますが、
ライフラインの点からも首都プノンペンとの交通は不可欠で頻繁です。

もう既に新型コロナウイルスの市中感染がシェムリアップで起こっていてもおかしくありません。

こうしてより一層当事者意識や危機感に晒されると、
案外人間はパニックになるんだなと改めて自分に対して思います。

そう、西本パニック。笑

ただ感染対策でやるべきことはある程度明確になっていますし、
カンボジアでもできることから一つ一つ取り組むほかありません。

コロナ対応の経験で先をゆく日本から学べることや、真似できることもたくさんあります。

こんな状況だからこそ病院スタッフ全員で知恵を出し合い、
力を合わせて一つの事に取り組む機会はある意味大きなチャンスです。

「ピンチはチャンス」

コロナ禍に限らず皆さんの日常にも、色々な困難がたくさんあると思います。

ただそんな困難もチャンスと捉え、乗り越えた先に得られるものを目指して頑張れたらと思います。

西本もここカンボジアで毎日ぐちゃぐちゃになりながら頑張っていますので、
どうか日本の皆さんも自分の健康を第一に日々前向きに過ごされてください。

今回はカンボジアのコロナ状況をお伝えするつもりでしたが、
最終的には私のリアルお悩み相談になってしまいました。笑

コロナが晴れたその後に、一日も早くカンボジアでお会いできる日を楽しみにしています。

最後まで読んで頂きありがとうございました。