
「歩くと膝が痛い」
「リハビリや注射を続けているけれど、痛みがなかなか改善しない」
「人工関節の手術を勧められたけれど、ほかの方法も検討したい」
膝の痛みが続くと、歩行や外出など、日常生活にも影響が出ることがあります。治療を続けても十分な効果が得られなかったり、年齢や持病などから手術について悩んだりする方もいらっしゃいます。
当院では、変形性膝関節症の患者さまに、リハビリテーションや薬・注射による保存療法、再生医療、人工関節手術など、さまざまな治療の選択肢をご案内しています。
その一つとして、2026年11月より本格運用を開始するのが、膝関節周囲の末梢神経に対するラジオ波焼灼療法(RFA)です。
この記事では、ラジオ波治療の仕組みや期待できる効果、対象となる方、治療の流れ、費用や注意点について解説します。
ラジオ波治療(RFA)とは?

ラジオ波焼灼療法(RFA)は、膝の痛みに関係する末梢神経にラジオ波を用いて働きかけ、痛みの軽減を目指す治療です。
超音波(エコー)で神経の位置を確認しながら処置を行います。
変形性膝関節症では、関節の軟骨がすり減ったり、骨が変形したりすることで、痛みや動かしにくさが生じます。ラジオ波治療は、こうした骨や軟骨そのものを元の状態に戻すものではなく、痛みに関係する神経に働きかけることで、膝の痛みを和らげることを目的としています。
これまでの治療で十分な効果が得られなかった方や、手術以外の方法を希望される方にとって、治療の選択肢の一つとなることが期待されています。
ただし、膝の痛みの原因や関節の状態は患者さんによって異なります。ラジオ波治療が適しているかどうかは、診察やこれまでの治療経過などを踏まえて判断します。
ラジオ波治療で期待できる効果とは?
ラジオ波治療では、膝の痛みを軽減し、日常生活を送りやすくすることを目指します。
例えば、膝の痛みが原因で歩行や外出がつらい方、これまでの治療を続けても痛みが十分に改善しない方にとって、新たな選択肢となる可能性があります。
一方で、ラジオ波治療は、変形した骨やすり減った軟骨を元の状態に戻す治療ではありません。また、治療による痛みの変化には個人差があり、すべての方に同じ効果が得られるわけではありません。
治療後の生活やリハビリテーションについても、膝の状態に応じて医師と相談しながら考えていくことが大切です。
どのような方が対象になるのでしょうか?
当院では、主に重症の変形性膝関節症の方のうち、次のような方についてラジオ波治療の適応を検討しています。
- 持病や全身状態などから、手術を慎重に検討する必要がある方
- 手術以外の方法を希望されている方
- 膝の痛みによって日常生活が制限され、これまでの治療で十分な効果が得られていない方
高齢の方を中心に検討されることが想定されますが、年齢だけで対象が決まるわけではありません。
膝の痛みの程度やこれまでの治療経過、全身状態、ご本人の希望などを踏まえて、医師が総合的に判断します。
また、手術を希望されない場合でも、膝の状態によっては手術が適していることがあります。反対に、持病などから手術を慎重に検討する必要がある方にとって、手術以外の方法が選択肢となる場合もあります。
ご自身にどのような治療が適しているかを知るためにも、まずは医師にご相談ください。
治療前に行う「テストブロック」とは?
ラジオ波治療を実施する前には、「テストブロック」と呼ばれる処置を行います。
テストブロックでは、痛みに関係する神経に局所麻酔を行い、痛みがどの程度変化するかを確認します。
当院では、テストブロックによって痛みが半減した方を、ラジオ波治療の対象として検討します。
ただし、テストブロックの結果だけで治療が決まるわけではありません。膝の状態やこれまでの治療経過、全身状態、ご本人の希望なども踏まえて、医師が適応を判断します。
ラジオ波治療の流れと所要時間
当院のラジオ波治療は、局所麻酔を使用して行い、外来での日帰り治療が可能です。
診察・適応の確認
膝の痛みや関節の状態、これまでの治療経過、全身状態などを確認し、治療の適応を検討します。
テストブロック
痛みに関係する神経に局所麻酔を行い、痛みの変化を確認します。
ラジオ波治療の実施
テストブロックの結果などを踏まえ、医師が適応があると判断した場合に治療を行います。超音波で神経の位置を確認しながら処置を進めます。
所要時間の目安
- 処置そのもの:約30分
- 準備などを含めた所要時間:30~60分程度
※所要時間は目安です。実際の流れや所要時間は、患者さんの状態などによって異なる場合があります。
ラジオ波治療を受ける前に知っておきたいこと
ラジオ波治療を検討する際には、期待できる効果だけでなく、治療に伴うリスクや注意点についても理解しておくことが大切です。
処置に伴い、痛みや腫れ、内出血、感覚の変化などが生じる可能性があります。また、感染などの合併症にも注意が必要です。
実際に起こり得るリスクやその程度は、治療内容や患者さんの状態などによって異なります。治療を受ける前に、医師から具体的なリスクや注意点について説明を受け、十分に理解したうえで検討してください。
また、ラジオ波治療は膝の変形そのものを元に戻す治療ではありません。治療後も、膝の状態に応じてリハビリテーションなどを継続することが大切になる場合があります。
ラジオ波治療と人工関節手術の違い
ラジオ波治療と人工関節手術は、目的や役割が異なります。
ラジオ波治療(RFA)
膝の痛みに関係する神経に働きかけ、痛みの軽減を目指す治療です。関節の変形そのものを元に戻すものではありません。
人工関節手術
変形した関節を人工関節に置き換えることで、痛みや関節機能の改善を目指す治療です。膝の変形や症状などを踏まえ、手術が適している場合に検討します。
ラジオ波治療は、人工関節手術の代わりになる治療ではありません。どちらが適しているかは、膝の状態や症状、全身状態、患者さんの希望などによって異なります。
手術が適している方もいれば、手術以外の方法を検討する方もいます。治療法を一つに限定せず、それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合った方法を医師と一緒に考えることが大切です。
こうのす共生病院で検討している膝の治療
こうのす共生病院では、変形性膝関節症に対して、患者さんの状態や希望に応じて、次のような治療を検討しています。
| 治療方法 | 主な目的・特徴 |
|---|---|
| 保存療法 | 運動療法・リハビリテーション、薬や注射などによって症状の改善を目指します |
| 再生医療 | PRP療法、SVF療法、MFAT療法など。治療内容や適応を確認して検討します |
| ラジオ波治療(RFA) | 膝の痛みに関係する神経に働きかけ、痛みの軽減を目指します |
| 人工関節手術 | 膝の変形や症状などを踏まえ、手術が適している場合に検討します |
それぞれの治療には特徴があり、適応や費用、リスクなども異なります。再生医療は自由診療であり、治療内容や費用について事前に確認する必要があります。
当院がさまざまな治療を取り入れているのは、患者さん一人ひとりの状況や希望が異なるからです。
高齢であったり、持病があったりして手術を慎重に検討する必要がある方。手術までは希望されないものの、膝の痛みによって日常生活が大きく制限されている方。そうした患者さんに対しても「何かできることはないだろうか」と考え、治療の選択肢を広げてきました。
今回のラジオ波治療の導入も、その取り組みの一つです。地域の皆さんが少しでも長く、自分の足で元気に生活できるよう、当院では患者さんの状態や希望に応じた治療を検討していきます。
ラジオ波治療についてよくある質問
Q.高齢でもラジオ波治療を受けられますか?
A.年齢だけで対象が決まるわけではありません。膝の痛みの程度やこれまでの治療経過、全身状態、ご本人の希望などを踏まえ、医師が適応を判断します。
Q.ラジオ波治療を受ければ、人工関節手術をしなくて済みますか?
A.必ずしもそうとは限りません。ラジオ波治療は痛みの軽減を目指すもので、関節の変形そのものを元に戻す治療ではありません。膝の状態によっては人工関節手術が適している場合もあります。診察を受け、適切な治療について相談することが大切です。
Q.リハビリテーションや注射を受けても痛みが続いている場合、対象になりますか?
A.これまでの治療で十分な効果が得られていない方は、適応を検討する対象となる場合があります。ただし、すべての方に実施できるわけではありません。診察やテストブロックなどを通じて判断します。
Q.ラジオ波治療で、すり減った軟骨は元に戻りますか?
A.いいえ。ラジオ波治療は、膝の痛みに関係する神経に働きかけ、痛みの軽減を目指す治療です。すり減った軟骨や変形した骨を元の状態に戻すものではありません。
Q.健康保険は適用されますか?
A.所定の適応条件を満たす場合には、健康保険が適用されます。患者さんの状態や治療内容などによって取り扱いが異なる場合があるため、詳しくは受診時にご確認ください。
Q.治療費はいくらですか?
A.費用は保険の適用条件や患者さんの負担割合などによって異なります。具体的な費用については、受診時に医療機関へご確認ください。
Q.治療にはどのくらい時間がかかりますか?
A.処置そのものは約30分、準備などを含めた所要時間は30~60分程度が目安です。実際の所要時間は患者さんの状態などによって異なる場合があります。
※治療回数や効果の持続期間などについては、患者さんの状態や治療内容によって異なるため、診察時に医師へご相談ください。
膝の痛みでお悩みの方は、こうのす共生病院へご相談ください
膝の痛みが続いている方や、これまでの治療で十分な効果が得られなかった方、手術を受けるべきか迷っている方は、まずは整形外科へご相談ください。
こうのす共生病院では、膝の状態や痛みの程度、これまでの治療経過、全身状態、生活背景、治療への希望などを踏まえ、患者さん一人ひとりに合った治療を検討します。
ラジオ波治療にも適応条件があり、診察の結果によっては実施できない場合があります。治療の内容や期待できる効果、リスク、費用などについて説明を受け、ご自身に合った方法を一緒に考えていきましょう。
※本記事は治療に関する一般的な情報を提供するものであり、治療の適応を確約するものではありません。実際の治療については、医師の診察・判断が必要です。
※再生医療は自由診療です。各治療の詳しい内容、費用、主なリスク・副作用については、当院の案内をご確認ください。