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人工関節センター

人工関節とは

人工関節は、高度に障害された関節表面を金属などでできた人工の関節で置換し、関節機能を回復させる手術です。関節の痛みの原因となっている部分を取り除くため、「痛みを取る」効果が大きいのが特徴で、術後早期よりリハビリを開始することができます。

主な対応疾患

主に股関節、膝関節を中心に人工関節手術を行なっております。
人工関節手術の適応となる主な疾患は、股関節では変形性股関節症、関節リウマチ、大腿骨頭壊死、膝関節では変形性膝関節症、大腿骨顆部壊死、関節リウマチなどです。

外来診察 初診

股関節や膝関節の痛みがあり、当院他科や他の病院/診療所で人工関節手術を勧められた方、また、以前から手術に対して不安がある場合や、本当にその手術が適切なのかお悩みの方は当センターにご相談ください。

人工関節学会認定医が豊富な経験に基づいて診断し、外来通院をしながら手術の計画を立てます。患者様にとってベストと思われる治療計画を立て、十分にご理解いただけるように説明いたします。

もし服用中のお薬がありましたら、お薬手帳など内容がわかるものをご持参ください。

手術決定後

手術が決まったら特に次の2点にはご注意ください。

・タバコ
最低限、入院治療終了までは禁煙するように心がけてください。喫煙は治癒のために欠かせない体内の酸素の循環を妨げるため、手術後の呼吸器合併症の増加や創傷治癒が遅れるため望ましくありません。

・歯科治療
むし歯や歯周病がある場合は、手術の前に治療を済ませておきましょう。歯科治療の際に口の中の細菌が血液に入り、人工関節感染を引き起こす可能性があるからです。

術前の全身検査

全身の健康状態を検査し、他の病気がないかどうか、また手術がおこなえる状態かを判断します。検査で異常やその疑いが認められたときは、院内の専門科に紹介をおこない、病状の確認や必要な処置・治療をおこないます。

入院~手術の前日

原則的に手術予定日の前日に入院していただきます(服用してられる薬の調整などが必要なときは、手術1週間前程度に入院していただくこともございます)。術前日には入浴/シャワーにて全身を清潔な状態とします。気にされる方もおられますが、手術部位の剃毛は手術時に担当医師が判断しますので前もってご自身では剃毛しないでください。

手術の前日は決められた時間以降は飲食を絶ち、手術に備えて胃の中を空にします。

手術当日(術前)

術衣に着替えた上で待機し、手術室の準備が整い次第、順次手術室に移動します。(おおよそ1日に2〜3件、同種類の手術を予定しております。)

手術当日(術後)

手術室から回復室へ移され、全身麻酔をかけられた患者様は徐々に意識をとり戻します。麻酔から完全に覚めて、胃腸の動きが正常に働くまでは経口摂取が許可されません。

手術前からの点滴を継続して投与しております。尿道には排尿・尿量管理のため管(バルーン)が、また手術によっては、創部からは血腫回避のための管(ドレーン)が留置された状態での病室への帰室となります。

手術翌日

看護師付き添いのもと、体を起こし、ベッドから車いすへ離床していただきます。

手術2日後~約2週間

立位歩行訓練など、本格的に理学療法士の指導のもとリハビリが開始されます。歩行能力の回復に応じて、適宜、病室も調整させていただきます。

退院

創部の治癒およびリハビリにて自宅療養が可能な段階への回復を認めた段階、つまり、手術からおよそ2〜3週間で退院となります。

外来再診

手術後1年以内は3回程度、その後も1〜2年毎と状況に応じて多少の変動はありますが、外来での定期検診を受けていただきます。人工関節は一生使っていただく関節ですので、定期観察は非常に重要です。調子の良し悪しに関わらず指定された時期には受診をお願いいたします。

人工関節センターの特徴

安心・安全な人工関節手術を提供

当センターでは、人工関節学会認定医が3人在籍し、主に股関節と膝関節の人工関節置換術を受けられる患者様に対して診療をしております。

よりよい人工関節手術を目指して、早くから最小侵襲手術(MIS)を取り入れ、輸血の必要性を最小限とし、痛みが少なく回復の早いものになっております。

股関節、膝関節ともに、両側同時手術も可能で、入院日数や費用など患者様の負担をできる限り軽減できるように努めています。

人工関節の手術は細菌感染に十分注意する必要性があるため、バイオクリーンルームにて行います。バイオクリーンルームでは、特殊な空調により清浄な空気を循環させ、ほとんど塵のない環境を作り出しています。
手術後は翌日からリハビリテーションを開始し、60名を超えるリハビリテーションスタッフが充実したリハビリテーションを提供します。日常生活の制限はほとんどなく、一人でも多くの患者様が自宅へ復帰できるよう日々努めております。

退院後も外来リハビリやご自宅へ訪問リハビリを受けられますので、フォローアップ体制も万全です。
また、院内には介護保険の通所リハビリテーションもございますので医療保険から介護保険のリハビリテーションへスムーズに移行できます。

件数実績

2023年THA(人工股関節全置換術) 82件
TKA(人工膝関節全置換術) 63件
UKA(人工膝関節単顆置換術) 30件
合計 175件
2022年THA(人工股関節全置換術) 61件
TKA(人工膝関節全置換術) 42件
UKA(人工膝関節単顆置換術) 27件
合計 130件

センター長紹介

はじめまして、田沼優一(たぬま ゆういち)と申します。

現在整形外科の領域は非常に多岐にわたります。脊椎、スポーツ外傷、救命整形、手の外科、足の外科、骨軟部腫瘍などそれぞれの領域に専門の医師が存在します。私はそのなかでも下肢の人工関節手術(主に股関節・膝関節)を専門に診療を行ってきました。

人工股関節置換術は、従来法では大きな皮膚切開を行い、筋肉も大きく切り開いて骨に達して人工関節を設置する必要があり、2~3時間かかる出血量も多い手術でした。
術後歩けるようになるのに3週間、入院期間は約6週間要しておりました。
また、脱臼する可能性があるため、股関節を深く曲げたり、脚を内側に入れてはいけないなど日常生活動作に制限がありました。現在はMIS(Minimally Invasive Surgery)最小侵襲手術が開発され、小さな皮膚切開で、筋肉を切らずに人工関節ができるようになり、出血量は少なく、手術時間も各段に短くなりました。
筋肉を切らないため回復も早く、術翌日から歩けるようになり入院期間も半減しています。また、日常生活動作の制限もありません。

人工膝関節置換術においても、小さな切開で筋肉の切開を最小限にとどめて人工関節の設置を行う事ができるようになりました。
私は手術後に外来に来られた患者さんが、人工関節を入れたことを忘れて好きなことをして過ごしている、というような手術を目指しています。

膝の痛み、股関節の痛みで不自由な生活を我慢している患者さんはとても多いです。日本ではいまだに「手術は病気がどうしようもなくなって仕方なくやるもの」との負のイメージが根強いですが、欧米では「痛みが取れるなら手術して、これからの人生を楽しく暮らそう!」と前向きなイメージが主流です。
痛みのない日常生活をとり戻し、人生の時間を有意義に過ごしてもらいたいと常に思っています。

田沼 優一(たぬま ゆういち)

医局長・整形外科部長・人工関節センター長 / 人工関節(主に股関節、膝関節)

出身大学:埼玉医科大学
資格:日本整形外科学会専門医・指導医、日本整形外科学会リウマチ医、日本整形外科学会運動器リハビリテーション医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本人工関節学会認定医、身体障害者福祉法第15条指定医、難病指定医
埼玉医科大学総合医療センター非常勤医師
趣味:サッカー観戦(インテルミラノ、大宮アルディージャ)、ウイニングイレブン、旅行

担当医一覧

織田 徹也 おだ てつや

病院長 / 股関節外科・人工関節外科(股関節、膝)・骨折治療

経歴
出身大学:埼玉医科大学
資格:日本整形外科学会専門医・日本整形外科学会認定リウマチ医・日本人工関節学会認定医・日本スポーツ協会公認スポーツドクター・日本医師会認定産業医
趣味:サッカー、釣り、ゴルフ、読書

こうのす共生病院の織田と申します。当院には現在、私を含め3名の日本人工関節学会認定医が在籍しております。股関節や膝関節の痛みにより日常生活や趣味に制限を感じられている患者さんに、痛みのない快適な生活を取り戻していただきたいという一心で診療を行ってまいりました。手術件数も年々増加しており、より専門性の高い、安全で安心な治療を提供するために、人工関節センターを開設いたしました。センター長には田沼優一先生をお迎えし、さらなる地域貢献を目指してまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

金澤 貴仁 かなざわ たかひと

整形外科医長 / 人工関節(主に股関節、膝関節)

はじめまして。金澤貴仁と申します。これまでは埼玉医科大学総合医療センターにて主に人工関節手術(股関節、膝関節)について学びを深めてきました。そして2023年4月から当院に赴任しています。
同じ疾患でも患者様一人一人の症状や望んでいることは異なります。そのため患者様の置かれた状況や希望を聞きながら、みなさまにとってより良い治療ができるようにしていきたいと思っています。宜しくお願いします。

よくある質問

Qどうなったら手術を考えればいいのですか?
A

人工関節の手術は、癌や心臓の手術のように直接寿命に関するものではありません。痛くても日常生活がおくれているなら、レントゲンが多少悪くても手術の必要はありません。しかし、自分の望む日常生活が痛みで満足におくれなくなり、レントゲンでも変形が進んでいる場合には手術を考えます。ただ、年齢や持病なども考慮し、手術の適応かどうかを決めます。

Qどれくらいの入院期間が必要ですか?
A

基本的に手術の前日に入院して、大半の方は術後2~3週間程度で歩いて自宅へ退院できますが、高齢者などはしっかりとリハビリを行ってから安心して自宅に退院をしてもらえる様に3~4週間の入院が多いです。長い間歩けないことで筋力が落ちてしまっている方、変形の強い方や人工関節の入れ替えの手術の方は回復に時間がかかる場合があります。若い方は術後2週間以内で退院も可能ですが、病状は個人個人で異なりますので、短期入院が必ずしも良いとは考えていません。当院では、大病院にありがちな決まった入院期間が来れば転院をしてもらう等の方法は取っていませんので、一人一人に合ったリハビリをして頂いています。

Qどれくらいで元の生活に戻れますか?
A

日常生活が安全に出来るようになってから退院しますので、歩行(しばらくは外出時には杖を使っていただく場合があります)や家事などの普通の生活が退院後から可能ですが、人工股関節の場合は、暫く曲げる角度や姿勢の制限が付く場合があります。仕事は事務職であれば退院後数週間、車の運転、自転車などは退院後1ヶ月で可能ですが、特に自動車の運転などは、脚の悪い状態で無理をして事故を起こし、他人に危害を与える危険性がありますし、回復には個人差がありますので必ず主治医と相談の上、ご自身で判断していただく事になります。

Q治療費はどれくらいかかりますか?
A

4週間の入院で手術、リハビリなどの医療費の総額がおよそ200万円になります。患者様の負担割合が3割として60万~70万円と高額になりますが、それを軽減するため、高額療養費制度など様々な公的医療費助成制度があり、それらを活用すれば相当軽減されます。(高額医療費制度を適用すると、例えば70歳以上の標準的な年金受給者で最終的には月額5万円程度(現役並の所得者では月額8万円程度)の負担になります。)ただその適応の範囲や軽減額はその方の所得や保険の種類によってかわりますので、詳しくは病院の窓口やご自身が入っている健康保険の担当者にお尋ね下さい。

Q手術後に旅行やスポーツはできますか?
A

長時間の飛行機やバスでのご旅行も問題はありません。ただ、和式トイレや正座中心の民宿などは難しいことがあります。多くの方と一緒に入る温泉などで人工関節が感染することはありません。飛行機の金属探知機も基本的に人工関節の手術をした旨の説明をすれば、問題なく通してもらえます。水泳、ウオーキング、トレッキング、ゴルフなどの足に衝撃のかからないスポーツはしてもかまいません。マラソン、サッカー、バスケットボールなどの衝撃の大きいスポーツはお薦めしません。スキーなどは経験者で激しくないレベル、テニスもダブルス程度であれば大丈夫ですが、必ず主治医に相談してから行って下さい。

人工関節センターに関するお問い合わせ

月〜金曜 AM 9:00~12:00 PM 14:00~17:00 / 土曜 AM 9:00~12:00

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大切なお知らせ

発熱・風邪症状等のある方へ

感染拡大防止のため、受診には事前のご予約が必要です。
お手元に健康保険証と診察券を準備し048‐541‐1131(代表)にお電話下さい。
※待ち時間の軽減・スムーズな診療のためAI問診を行ってからの来院を お願いしています。
現在、インフルエンザ罹患者数が増加傾向のため、当院では発熱外来受診時、診察前にコロナ抗原検査・インフルエンザ抗原検査を行っています。
何卒、ご理解の程宜しくお願いします。


<ご予約受付時間>
受診を希望される日の8:30〜16:30までが予約受付時間となります。
※平日上記時間外、土曜日の午後、日曜日、祝日はご予約・検査を承っておりません。
※ホームページからお問い合わせ頂いてもご予約できません。
※予約制のため、予約後はキャンセルできませんのでご了承ください。

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