
夏になると急増する「熱中症」。
実は、熱中症で救急搬送される方の半数以上が高齢者です。
若い頃と違い、体の感覚や反応が鈍くなっているため、自分では気づかないうちに重症化するケースもあります。
高齢者が熱中症になりやすい理由
- 喉の渇きを感じにくくなるため、水分補給が遅れがち
- 体内の水分量が減少しており、脱水状態になりやすい
- 心臓や腎臓などの持病があると水分調整が難しい
- 室内にいても暑さを感じにくく、エアコンを使わない傾向がある
これらの理由から、気づかないうちに熱中症が進行し、命にかかわる状態になることもあります。
熱中症の主な症状
軽度 :めまい、ふらつき、食欲がない、頭が重い、足がつる など
中等度:頭痛、吐き気、体がだるい、熱っぽい、汗が止まらない
重度 :意識がもうろうとする、反応がにぶい、歩けない、けいれんが出る
少しでも「いつもと違う」と感じたら、早めの受診が何よりも大切です。
自宅での予防と対策
- こまめな水分と塩分の補給を
- 喉が渇いていなくても、食事以外で1日1〜1.5リットルを目安に。
- 特に夏場は、水だけでなく塩分も補うことが重要です。
→経口補水液(例:OS-1)や、スポーツドリンク、塩タブレットを活用しましょう。
※高血圧や腎臓疾患などで塩分制限中の方は、経口補水液の使用について事前に医師へご相談ください。 - エアコンを上手に使う
→室温が28度を超えないように設定しましょう。扇風機やサーキュレーターで空気を循環させるのも効果的です。 - 食事をしっかりとる
→栄養が偏ると、体温調節もうまくいきません。特に、タンパク質・ビタミン・ミネラルを意識しましょう。 - 周囲の人とつながる
→一人暮らしの方は、近所の方や家族と日頃から連絡を取り合うことが安心につながります。
こんなときは、迷わず病院へ!
- 呼びかけに反応が鈍い
- 水分を自力でとれない
- 意識がぼんやりしている
- 吐き気や頭痛が続く
- 体が熱くて汗をかいていない
- ペットボトルの蓋を自分で開けられない
「様子を見よう」で手遅れになる前に、医療機関への受診をためらわないことが命を守るカギです。
熱中症かな?と思ったら
症状が軽くても、気になることがあればお気軽にご相談ください。
大事に至る前の早めの対応が、健康を守る第一歩です。