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2025.12.04冬に増える“ヒートショック”とは?― 気温差が血圧に与える影響と今日からできる予防策 ―

冬になると「お風呂で倒れていた」「トイレで意識を失った」というニュースを耳にすることが増えます。
その背景にあるのが「ヒートショック」。

これは、急激な温度差によって血圧や脈拍が大きく変化し、心筋梗塞・脳出血・失神などを引き起こす現象のことです。

厚生労働省や東京都健康長寿医療センター研究所の統計では、ヒートショックは11~2月に最も多く発生し、特に高齢者にリスクが高いことが分かっています。

本記事では、ヒートショックが起こるメカニズムと、今日から家庭でできる予防策をわかりやすく解説します。

ヒートショックはなぜ冬に起こるのか

ポイントとなるのは 血管の急激な収縮と拡張 です。

●暖かい部屋から寒い脱衣所
気温差のショックで血管が“ギュッ”と縮みます。→ 血圧が急上昇

●熱い浴槽に入る
急に血管が開きます。→ 血圧が急低下

この “上下に揺さぶられる血圧変動” が、

  • 心筋梗塞
  • 脳出血
  • 失神

などの重大な事故につながります。

特に、

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 動脈硬化
  • 心臓病

がある方は、この血圧変動の影響を受けやすく危険性が高まります。

お風呂はヒートショックの発生場所 No.1

入浴中の事故死者数は年間約5,000人とも言われ、交通事故死より多いという年もあります(消費者庁)。
その多くが冬場、浴室・脱衣所で発生します。

要因は以下の3つ:

  1. 脱衣所と浴室の極端な寒さ
  2. 熱いお湯(42℃以上)
  3. 長湯による血圧低下

この3つが重なると、健康な人でも血圧の乱高下が起こります。

こんな時は“危険なサイン”

以下がある場合、特に注意が必要です。

  • 立ちくらみが多い
  • 入浴時にドキドキする
  • 冬に血圧が高くなりやすい
  • 風呂から出た後に疲労感が強い

こうした症状は血圧変動のサインであり、高齢者に限らず若い方でも起こり得ます。

今日からできる!ヒートショック予防 5つ

脱衣所・浴室を暖める

暖房器具や浴室暖房を使い、部屋との温度差を10℃以内に。

② 湯温は 41℃ 以下に設定

医学的には 40~41℃が最適。
42℃以上は血圧変動のリスクが上昇。

③ 浴槽に入る前に「かけ湯」

心臓に負担をかけず、身体をゆっくり温められます。

④ 長湯は避ける(10分以内)

長時間の入浴は血圧低下の原因に。

⑤ 入浴は家族が在宅の時間帯に

もしもの時、1人よりも早く気付くことができます。

医療機関に相談すべきタイミング

以下に当てはまる場合は、一度医師に相談することをおすすめします。

  • 冬になると血圧が急上昇する
  • 入浴中に動悸・息苦しさがある
  • 最近めまいや立ちくらみが増えた
  • 高血圧・心臓病の治療中

早めの受診は、重大な事故の予防につながります。

冬は“温度差”が体にストレスを与える季節

ヒートショックは「高齢者だけの問題」と思われがちですが、実際は誰にでも起こりうる血圧変動が原因です。

正しい知識と簡単な対策で、多くの事故を防ぐことができます。

こうのす共生病院では、冬場の健康不安や血圧の相談など、地域の皆さまの健康を守るサポートを行っています。

どうぞお気軽にご相談ください。

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