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2024.07.18【カンボジア研修】ジャンケン大会で最後の人枠に

【カンボジア研修】ジャンケン大会で最後の人枠に

初めまして私は、こうのす共生病院の病棟で看護師として勤務しています二瓶と申します。この度、カンボジア研修に参加させていただき現地で医科歯科連携を経験させていただいたのでここに報告させていただきます。また、現地での様子や感じたことをブログから共有させていただきます。

最後の人枠に入れるなんて・・

織田先生と行く!カンボジアでのロコモ検診お手伝いメンバー募集と連絡があり病棟の同期とジャンケン大会に参加させていただきました。参加していたのはリハビリ科や地域連携室、看護科などおおよそ25~30名が参加していました。織田先生とジャンケンを行いメンバーが絞られていく中、最後の人枠に入ることができました。海外研修は看護師となり初めての経験となるため緊張と楽しみの気持ちでいっぱいでした。今回はロコモ検診という目的がありましたが、はじめはどのように進めていくか想像することができず、一緒に行くメンバーと試行錯誤しながらアンケート・運動機能の評価など作成していきました。

カンボジアへ向けて出発

日本からカンボジアへの直行便はなく、ベトナムを経由しました。成田空港からベトナムまで4時間・シェムリアップ・アンコール空港まで2時間のフライトになります。空港から車で1時間ほど走りシェムリアップという町に向かいました。

カンボジアの医療

シェムリアップ州にある州立病院とリハビリ施設に見学に行ってきました。

州立病院はシェムリアップ州の同州及び周辺の患者が集まってくる拠点病院になっています。1970年代に建設された施設であり、老朽化や機材不足により、医療のニーズに対応できていませんでしたが、2020年に新しく建設された病院です。

日本では救急要請後、病院に受け入れ可能か連絡が入りますが、カンボジアでは直接病院に救急搬送されるか、家族が直接病院に運びます。州立病院は救急室5床あり、専門の先生が振り分けを行い診察をしています。産婦人科は病棟が違う棟にあるため、その他の疾患の患者が運び込まれます。一日60~80名が来院し治療を行っています。救急処置室では緊急手術も対応できるように整えられていました。放射線科も専門の職員が3人勤務しています。レントゲン検査やCT検査などは行える環境が整っていまいしたが、MRIは整備されていませんでした。現在CT検査の中で一番多い疾患は脳梗塞だそうです。入院患者は75人で看護師は6人配属されており、日勤は4名、夜勤は2名で対応しています。カンボジアでは家族の付き添いが基本であり、トイレ介助や身の回りの世話は家族行っています。病院食の提供がないため家族が調理し病院に持ち込み介助しています。

ICU病棟には異国からの支援がありモニターや12誘導・人工呼吸器などの医療機器がたくさん備えられていました。手術室は6床あり頭部・胸部・腹部・骨折の手術を1日20~30名行っています。フランスで2年間勉強を行い異国で学んだ技術を提供しています。手術終了後2時間経過観察を行いその後、重症の患者はICUへ軽症の患者は病棟に振り分けされています。異国からの支援で医療機器に不便はなさそうでしたが、医療従事者として働く職員が少なく感じました。日本のように他職種で診療を担うのではなく、家族の支援で診療が助けられていることに気づかされました。

リハビリ施設の見学へ

病院の中にあった施設が、病院から離れて2022年に完成したリハビリ施設に見学に行ってきました。

シェムリアップ州には3ヶ所義肢を作れるところがあります。寄付金で建設されているリハビリ施設です。医師と理学療法士が2名勤務しており義足や車いすを作っていました。リハビリ室には父と母・2歳ぐらいの女の子がリハビリを行っていました。女の子は生まれつき水頭症という疾患を持っており下肢に障害が残らないようにリハビリを行っていました。リハビリ施設で対応ができない場合は専門の先生に診てもらうように連携を図っています。義足を作成する人で多いのが地雷による切断・糖尿病による壊死・交通外傷による切断だそうです。現在は地雷での切断はなくなってきていますが、糖尿病による壊死が多くなってきています。義足の作成には4週間かかります。リハビリ施設まで1~2時間かけて病院に来る人がたくさんいます。義足は無料で作成しており、交通費も国が支援しています。

義肢を作成する人は異国で3年間勉強を行い、知識や技術を学ぶそうです。

外で、自転車を上手にこいでいる男性に出会いました。「義足を付けて何年ですか?」と通訳していただき質問したところ、今日完成した義足ですと返答がありました。15年前に地雷で左足を失って松葉杖で生活していましたが、リハビリ施設にきて義足を作ってもらい2024年6月10日に完成した義足で歩行していたところが印象的でした。嬉しそうに、歩いている姿を見て感動した一コマです。

ロコモ検診・耳鼻科検診

医科・歯科連携とのことで、運動機能評価であるロコモ検診ならびに耳鼻科検診を行ってきました。

日本の子どもとカンボジアの子どもで運動機能にどのくらい差があるのか評価していくことになりました。織田病院長から運動器検診の際の留意ポイントや質問事項がなどの項目を挙げていただきメンバーで話しあいながら作成していきました。カンボジアの言葉はクメール語で日本語をクメール語に直すと言葉の意味が全く異なった意味になってしまい、とても苦労したことを覚えています。現地の職員にクメール語へ直していただきロコモ検診・耳鼻科検診をクロバイリエル小中学校・クヴィアン小中学校で行うことができました。2日間で計460名の幼稚園児・小中学生を評価することができました。

肩甲骨と股関節の柔軟性を見る項目で指が床につかない生徒が多いことに気が付きました。日本ではしゃがめない子どもたちが多いと統計がでています。ロコモ検診・耳鼻科検診のお手伝いを行い言葉の壁は感じませんでした。検診中も笑顔が絶えず、子どもたちからたくさんの元気をもらいました。

世界遺産であるアンコールワット タ・プロームへ

最終日、世界遺産でもあるアンコールワットとタ・プロームへ観光にいきました。ガイドさんに案内して頂きながら早朝の朝焼けを見にアンコールワットに出発しました。中には美しい彫刻が刻まれており、カンボジアの歴史について学ぶことができました。タ・プロームではガジュマルの木が私たちを出迎えてくれました。樹齢300~400年の大木が寺院を押し潰すかのように絡みつく光景は圧巻の迫力を感じました。

支援の輪をカンボジアへ

元気グループの支援施設を実際に見学させていただき、初めて元気グループが行っている支援内容について知ることができました。アンコール共生の家は2019年3月より運営が開始となりマンゴーの木や・花・野菜を育て鶏など飼育しています。貧困、暴力、犯罪など様々な理由で親との生活が困難になった6歳~17歳までの男女11名が共同生活をしています。アンコール共生の家の子どもたちが、日本のカレーとうどんが好きということでフォレストチームと一緒にカレーうどを作りました。作っているときはどのような表情をして食べてくれるかものすごく不安で心配で仕方ありませんでしたが、おかわりする子どもたちがたくさんおり、飛び切りの笑顔を見せていただき嬉しかったす

最後に

カンボジア研修に参加させていただきいろいろなことを感じさせられることがたくさんありました。

元気グループの支援活動について実際に目で見て肌で感じることができ素晴らしい活動を行っていると感じました。今回、医科歯科連携ということで歯科検診・ロコモ検診・耳鼻科検診のサポートを行ってきましたが、この小さな行動が成長していく子どもたちに少しでも力になれたらいいなぁと感じる5日間になりました。なによりも子どもたちからエネルギーをもらい私たち自身が元気をもらえたかけがえのない研修となりました。たくさんの人に協力していただき無事、研修を修了することができましたこの場を借りてフォレストチーム・鴻愛会のメンバーにお礼を申し上げます。本当にお世話になりました。ありがとうございました。

                                               二瓶 美穂

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